あなたは今、こんな状況にいませんか?

  • 取引先や補助金の案内で「AIを使えば業務が楽になります」と勧められている
  • 気になるツールはあるが、自社のどの仕事に使うのかを答えられない
  • 「まずは業務の棚卸しから」と聞いたものの、何をする作業なのかがわからない

ツールの説明を聞くと、どれも便利そうに見えます。 ただ使い道が決まらないまま契約すると、一部の人がたまに使うだけで月額料金を払い続けることになりかねません。

実は、DXやAIの導入で最初にやるべきなのはツール選びではありません。 結論を言うと、ツールを決める前に今ある業務をすべて書き出す「業務の棚卸し」を済ませておくのが近道です。 ここでいう棚卸しは在庫を数える作業ではなく、会社の中にある仕事を一覧にする作業のことです。

なぜなら棚卸しを済ませると次の3つが手元にそろうからです。

  1. やめても誰も困らない業務の一覧
  2. システムやAIに任せる業務の候補
  3. 導入した後の効果を比べるための、今の作業時間

この3つがあれば、ベンダー(ツールを販売する会社)の提案を聞く前に「どの業務の何時間分を減らしたいのか」を自分の言葉で伝えられます。

この記事では、次の内容を解説していきます。

  • ツールより先に業務の棚卸しを済ませる理由
  • 棚卸しで書き出しておく項目と、少人数の会社での進め方
  • 棚卸しの結果から、AIやシステムに任せる業務を決める方法
  • 棚卸しが途中で止まりやすい会社の共通点

専任の担当者がいない会社でも、2週間ほどあれば自社の業務の一覧と月の作業時間をそろえられます。

DXやAIを入れる前に業務の棚卸しを済ませておく理由

AIや業務システムは、今ある仕事を速くしたり人の代わりに進めたりする道具です。 ただし、どの仕事を速くするのかまでは決めてくれません。 それを決める材料になるのが、業務の棚卸しです。

中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)の「中小企業のDX推進に関する調査(2025年)」では、DXに取り組むうえでの課題を中小企業の経営者・経営幹部1,000社に聞いています(複数回答)。 従業員20人以下の企業(522社)で多かった回答は次のとおりです。

DXに取り組むうえでの課題 従業員20人以下の企業の回答割合
予算の確保が難しい 28.1%
具体的な効果や成果が見えない 22.5%
ITに関わる人材が足りない 21.1%
何から始めてよいかわからない 20.9%

「何から始めてよいかわからない」は、前回(2024年)調査の18.7%から増えています。 また企業の規模を問わずに見ると、DXにすでに取り組んでいる企業(189社)でも18.5%が「具体的な効果や成果が見えない」を課題に挙げています。

業務効率化とDXの違いや自社の段階は業務効率化とDXの違いと中小企業のためのDX導入4ステップの解説記事で解説しています。

業務効率化とDXの意味の違いと中小企業のためのDX導入4ステップ

業務効率化とDXの意味の違いと中小企業のためのDX導入4ステップ

業務効率化とDXは別物ではありません。中小企業がどの段階にいるかを見分ける方法と、無料で使える公的な診断や資料、今の人数で進められる4ステップを解説します。

何から始めればよいのか? 効果はどう確かめればよいのか? どちらも、ツールを選ぶ前に自社の業務を書き出しておけば答えを出しやすくなる悩みです。 ここからは、棚卸しを飛ばしてツールから入ったときに起きることを3つ見ていきます。

ツールを先に決めると今の手順がそのままデジタルに移る

1つ目は、必要のない手順までデジタルに置き換えてしまうことです。

例えば、次のような受注の流れがあるとします。

  1. FAXで届いた注文書を見ながらExcelの受注表に打ち込む
  2. 受注表を見ながら販売管理システムにもう一度打ち込む
  3. 受注表を印刷して倉庫に渡す

ここに注文書を読み取るAIを入れると、1の打ち込みは速くなります。 ただ、そもそも受注表と販売管理システムの両方に同じ内容を入れる必要があるでしょうか? 販売管理システムから出荷の指示を出せるなら、Excelの受注表ごとなくせるかもしれません。

必要のない手順を残したままデジタルにすると、必要のない手順が速くなるだけです。 業務を書き出して前後のつながりを見ておけば、ツールを入れる前に「この手順はなくせる」と気づけます。

使い道が決まらないまま月額料金だけが残る

2つ目は、契約したツールが使われずに終わることです。

生成AIのアカウントを全員分契約したものの、使っているのは若手の数人だけ。 そんな会社は珍しくありません。 「何に使ってもいい」と渡されても、忙しい社員は自分の仕事のどこに使えばよいかを考える時間がないからです。

棚卸しの一覧があれば、渡し方が変わります。 「見積書を送るときのメール文面を月40件分AIで下書きする」のように、使う業務と回数を決めて渡せるからです。 使い道が具体的なほど、社員は最初の1回を試しやすくなります。

導入前の作業時間がわからないと効果を確かめられない

3つ目は、導入した後に効果があったのかを確かめられないことです。

効果を確かめるには、導入前と導入後の作業時間を比べる必要があります。 ところが導入前の時間を測らないまま新しいツールを使い始めると、比べるもとになる数字がありません。 導入前の作業時間は、導入した後からは測れないのです。

その結果「なんとなく楽になった気がする」という感想しか残らず、次にどこへ投資するかを決める根拠になりません。 棚卸しで1回あたりの時間と月の回数を記録しておけば、導入後に同じ業務を測り直すだけで効果を数字で比べられます。

業務の棚卸しで書き出しておく項目

棚卸しが必要な理由は見えてきたのではないでしょうか?

実際に書き出す項目は、次の表のとおりです。 項目を増やすほど書く側の負担が増えて途中で止まりやすくなるので、この6つに絞っています。

項目 書き方の例
業務の名前 請求書をExcelで作ってメールで送る
回数と時間 月20回、1回15分
できる人の数 1人(経理のAさんだけ)
使っている道具 Excelとメール
判断が要るか 手順どおりに進む
前後の業務 営業から納品の報告を受け取り、入金の確認につなげる

業務の名前:動詞を入れて1行で書く

業務の名前は「経理」「営業事務」のような部署名や役割ではなく、何をしているのかがわかる1行で書きましょう。

  • 悪い例:請求業務
  • 良い例:請求書をExcelで作ってメールで送る

細かさの目安は、1回の作業がおおよそ5分から2時間に収まる単位です。 「営業」のように1日がまるごと入ってしまう名前では、どの部分をツールに任せられるのかを判断できません。 反対に「ファイルを開く」まで分けると、一覧が長くなりすぎて集計が終わらなくなります。

回数と時間:月に何回発生して1回に何分かかるか

回数と時間は、正確でなくてかまいません。 「だいたい月20回、1回15分くらい」で十分です。 この2つを掛ければ、その業務に月何時間使っているかがわかります。

決算や年末調整のように年に数回しか発生しない業務は、月の平均に割らず「年1回で3日」のように別に書いておきましょう。 月の平均に割ると、時期によって偏る負担が見えなくなるからです。

できる人の数:その業務をできる人が何人いるか

できる人が1人しかいない業務は、その人が休むと止まります。 こうした業務は、ツールを入れる前に手順を書き出す作業が必要になります。 手順を知っているのが1人だけでは、ツールに何をさせるのかを決められないからです。

経営者が自分で抱えている業務も、ここに書き出してみてください。 見積や値引きの判断が社長にしかできない、という会社は少なくありません。

使っている道具:紙とExcelとシステムのどれで回しているか

道具の欄には、その業務で使っているものをすべて書きましょう。 次の2つが見つかったら、ツール選びより前に手を付けたい候補です。

  1. 紙で受け取ったものを手でExcelに打ち込んでいる
  2. 同じ内容を2か所以上に入力している

紙のまま回している業務をAIやシステムに任せるなら、まず内容をデータにしておきましょう。 同じ内容の二重入力は、入力先を1つにまとめるだけで時間が減ることがあります。

ただし業務の内容や働く環境によっては、紙や手作業のままのほうが速いこともあります。 例えば次のような業務です。

  • 年に数回しか発生せず、仕組みを用意する手間のほうが大きい業務
  • 手袋をしたままの現場や電波の届かない場所で書き込む記録
  • その場で数人が見て終わり、後から集計も検索もしないメモ

道具の欄は、何でもデジタルに置き換えるための一覧ではありません。 今のやり方で困っていない業務は、無理に変えずそのまま残しましょう。

判断が要るか:手順どおりに進むか人の判断が要るか

判断の欄は、次の3つのどれかを選ぶだけにしましょう。

  1. 手順どおりに進む
  2. 一部に人の判断が要る
  3. 毎回人が判断する

この欄が、後でAIやシステムに任せる業務を振り分けるときの一番の手がかりになります。 迷ったら「新しく入った人が手順書を読めばその日からできるか?」で考えてみましょう。

前後の業務:誰から受け取り誰に渡すか

最後に、その業務がどこから始まりどこへつながるのかを書いておきましょう。

この欄を飛ばすと、ツールを入れた後に思わぬところで困りごとが起こります。 例えば請求書の作り方をシステムに置き換えたら、営業が売上の集計に使っていたExcelの控えが作られなくなってしまうことがあります。 前後のつながりを書いておけば、置き換える前に「この控えを誰が使っているのか」を確かめられます。

少人数の会社で業務の棚卸しを進める手順

書き出す項目が決まったら、次は進め方です。 専任の担当者がいない会社でも、次の5つのステップなら通常の仕事を止めずに進められます。 書き出しに2週間、まとめと判断に半日から1日を見込んでおきましょう。

ステップ やること 目安の時間
1 対象を1つの部門か1つの業務の流れに絞る 30分
2 担当者に2週間分の仕事を書き出してもらう 1日30分ほどを2週間
3 一覧表にまとめて月の合計時間を出す 2〜3時間
4 やめる業務と減らす業務を先に決める 1〜2時間
5 残った業務をシステムとAIと人に振り分ける 1〜2時間

ステップ1:対象を1つの部門か1つの業務の流れに絞る

最初から会社全体を対象にする必要はありません。 1つの部門か、「受注から請求まで」のような1つの業務の流れに絞りましょう。

どこから手を付けるか迷ったら、次のどちらかを選んでみてください。

  • 社長や特定のベテランに仕事が集中している業務の流れ
  • AIやシステムの導入をすでに検討している業務の流れ

導入を検討している業務の流れを選べば、棚卸しの結果をそのままツール選びに使えます。

ステップ2:担当者に2週間分の仕事を書き出してもらう

対象の業務に関わる人に、2週間分の仕事を書き出してもらいます。 1日の終わりに30分ほど時間を取り、その日にやった仕事を先ほどの6項目で書いてもらいましょう。 1日分をまとめて思い出すのが難しければ、作業が終わるたびに5〜10分で書いてもらう方法もあります。

書き出す道具は、紙でもExcelでもかまいません。 使い慣れたもので始めるほうが続きます。

頼むときは、1〜2行の見本を一緒に渡しましょう。 見本がないと、人によって書く細かさがばらばらになります。 2週間の間に発生しない月末や年度末の業務は、思い出せる範囲で追加してもらいます。

経営者自身が対象の業務に関わっている場合は、自分の分も書き出しておきましょう。 社長の仕事が一覧から抜けると、一番詰まっている場所が見えなくなります。

ステップ3:一覧表にまとめて月の合計時間を出す

集まった書き出しを1つの表にまとめ、業務ごとに月の合計時間を出します。 同じ業務を別の名前で書いている人がいたら、ここで名前をそろえましょう。

まとめた表は、月の合計時間が長い順に並べ替えます。 例えば従業員15人の卸売業の会社で「受注から請求まで」を棚卸しすると、次のような表になります(説明のための架空の例です)。

業務の名前 回数と時間 月の合計 できる人 道具 判断
FAXの注文書をExcelの受注表に打ち込む 月200回、1回5分 約17時間 2人 紙・Excel 手順どおり
取引先からの問い合わせメールに返信する 月80回、1回10分 約13時間 3人 メール 一部判断
受注表の内容を販売管理システムに入力する 月200回、1回3分 10時間 2人 Excel・システム 手順どおり
見積書を作って送る 月30回、1回20分 10時間 1人(社長) Excel・メール 毎回判断
請求書を作ってメールで送る 月40回、1回10分 約7時間 1人 Excel・メール 手順どおり
受注件数を週報にまとめて社長に送る 月4回、1回30分 2時間 1人 Excel 手順どおり

表にすると、時間がかかっている業務と1人に頼っている業務がひと目でわかります。

ステップ4:やめる業務と減らす業務を先に決める

一覧ができたら、すぐにツールの検討に入りたくなるかもしれません。 ですがやめる業務と減らす業務を決める作業は、ツールを選ぶより先に済ませておきましょう。 やめられる業務にツールを入れても、費用がかかるだけだからです。

上から順に、業務ごとに次の3つを問いかけてみてください。

  1. この業務をやめたら、誰が困るか?
  2. 回数を減らしても、困らないか?
  3. 同じ内容をほかの場所でも入力していないか?

誰も困らない業務はやめて、回数を減らせる業務は減らしましょう。 二重に入力している業務は、入力先を1つにまとめましょう。

先ほどの例なら、社長が販売管理システムの画面を見れば済むので週報はやめられるかもしれません。 受注表と販売管理システムへの二重入力も、どちらか1つにまとめる候補になります。

仕事が特定の人に集まって回らなくなっている場合の整理の進め方は仕事が回らない原因と業務整理の5ステップの解説記事で解説しています。

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ステップ5:残った業務をシステムとAIと人に振り分ける

やめる業務と減らす業務を決めたら、残った業務を次の3つに振り分けます。

  1. システムに任せる業務
  2. AIに任せる業務
  3. 人に残す業務

振り分けの手がかりは、書き出しの項目にある「判断が要るか」です。

棚卸しの結果からAIやシステムに任せる業務を決める

ここまでで、自社の業務の一覧とやめる業務が決まりました。 残った業務をどこに任せるかは、判断の欄と道具の欄を見れば大まかに決まります。

判断の欄 主な道具 任せる先
手順どおりに進む 表やシステムのデータ システム
一部に人の判断が要る 文章やメール AIで下書きし、人が確認する
毎回人が判断する 道具は問わない 人

システムに任せるのは決まった手順を何度も繰り返す業務

判断が要らず決まった手順で何度も繰り返す業務は、システムに任せる候補です。 回数が多いほど、置き換えたときに減る時間も大きくなります。

  • 受注データを別の表やシステムに転記する
  • 毎月決まった形式の請求書を発行する
  • 決まった項目で売上や件数を集計する

任せる先には次のようなものがあります。

  • 会計や販売管理のクラウドサービス
  • 表計算ソフトの自動化機能
  • パソコンの定型作業を自動で行うRPA

すでに使っているシステムに同じ機能が付いていることもあるので、新しく契約する前に確かめてみてください。

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AIに任せるのは文章の下書きや要約や分類の業務

文章を扱い一部に人の判断が要る業務は、生成AIに任せる候補です。

  • 問い合わせメールへの返信文の下書きを作る
  • 会議のメモから要点をまとめる
  • 届いた問い合わせを内容ごとに分ける

ただし生成AIは、もっともらしい間違いを書くことがあります。 AIには下書きまでを任せ、送る前に人が確認する手順を残しましょう。 顧客の個人情報や社外秘の情報を入力しないといったルールも、使い始める前に決めておく必要があります。

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人に残すのは判断の基準を決める業務と顧客との関係を作る業務

毎回の判断が要る業務と、顧客との関係を作る業務は人に残します。

  • 値引きや支払い条件を決める
  • クレームへの対応方針を決める
  • 取引先との関係を深める

ただ、人に残す業務がずっと同じ人に集中したままでよいわけではありません。 例えば見積の判断が社長にしかできないなら、「この条件なら値引きは5%まで」のような基準を書き出してみましょう。 基準を言葉にできれば、判断の一部を社員に任せられるようになります。

営業の判断が特定の人に集まっている場合の解消のしかたは営業が属人化する原因と解消するポイントの解説記事で解説しています。

営業が属人化する原因とメリット・デメリット&解消するポイント5つ

営業が属人化する原因とメリット・デメリット&解消するポイント5つ

営業の属人化は顧客との強い関係が持てる一方で組織の不安定さに繋がります。属人化を解消するには情報共有の仕組みだけでなく人事評価制度の見直しなど文化醸成も大切です。

導入後は棚卸しで測った時間と比べて効果を確かめる

ツールを導入したら、1〜2か月たったところで同じ業務の時間をもう一度測ります。 測り方は棚卸しのときと同じで、1週間ほど回数と1回あたりの時間を記録するだけです。

先ほどの架空の例で、問い合わせメールの返信の下書きをAIに任せたとしましょう。

業務の名前 導入前 導入後
取引先からの問い合わせメールに返信する 月約13時間 月約8時間

このように並べれば、効果を数字で説明できます。 時間が思ったほど減っていなければ、使い方か任せる業務の選び方を見直すきっかけになります。

ベンダーから提案を受けるときにも、この表を使いましょう。 「この業務の月13時間が導入後にどれだけ減る見込みですか?」と聞けば、提案の中身を自社の業務に引き寄せて比べられます。

業務の棚卸しが途中で止まる会社に共通すること

棚卸しの進め方はシンプルですが、途中で止まってしまう会社もあります。 始める前に、つまずきやすい点を押さえておきましょう。

全部門の業務を一度に書き出そうとしている

最初から全部門の業務を書き出そうとすると、集まる量が多すぎてまとめる段階で手が止まります。 まとめ終わるころには、最初に書き出した内容が古くなっていることもあります。

まずは1つの業務の流れで、やめる業務とツールに任せる業務を決めるところまで進めましょう。 1つで結果が出れば、次の部門に広げるときに社員の協力も得やすくなります。

書き出す細かさが人によってばらばらになっている

「営業」と1行だけ書く人もいれば、「見積書の金額を確認する」まで細かく書く人もいます。 細かさがそろっていないと、業務どうしの時間を比べられません。

防ぐ方法は、書き出しを頼むときに見本を渡すことです。 経営者が自分の仕事を2〜3行書いて見本にすると、社員も細かさの目安をつかみやすくなります。

棚卸しの目的を社員に伝えていない

目的を伝えずに「仕事を全部書き出して」と頼むと、社員はこう受け取るかもしれません。

  • 自分の仕事がAIに置き換えられるのではないか
  • 仕事が遅いと評価されるのではないか

そう感じた社員は、時間を短めに書いたり細かい仕事を書かなかったりします。 すると一覧が実態とずれてしまいます。

頼むときは、次の2つをはっきり伝えましょう。

  1. 目的は、やめてよい仕事を見つけて一人ひとりの負担を減らすこと
  2. 書き出した時間を、個人の評価には使わないこと

社員にとって、棚卸しは自分の手間を減らすための作業です。 そう受け取ってもらえれば、普段は見えにくい細かな仕事まで書き出してもらえます。

まとめ

DXやAIの導入で最初にやるべきなのは、ツール選びではなく業務の棚卸しです。 今ある業務を書き出しておけば、やめる業務と任せる業務と導入後に比べる時間がそろいます。

この記事の要点を整理します。

  • ツールより先に業務を書き出す
  • 書き出す項目は6つで足りる
  • やめる業務をツールより先に決める
  • 任せる先は判断の要否で決める
  • 導入後は同じ方法で時間を測る

まずは今週、棚卸しの対象にする業務の流れを1つ決めてみてください。 担当者に見本を渡して書き出しを頼めば、2週間後には自社の業務の一覧が手元にそろいます。